恋を忘れたカナリア 完結編











2008年7月12日



Oさんの、Uさんへの気持ちは

日に日に強くなって行きました。

が、二人が偶然に逢う機会は無く、

Uさんの性格では、

たとえOさんに好意を持ったとしても、

自ら動くとは思えません。

Oさんにしても、好きな人に対して

積極的にアクションを起こすなど、

考えただけで倒れそうです。

暫くの間は忙しさにかまけて放っておきましたが、

ついに募る想いを誤魔化すことができなくなり、

思い切ってK子さんに相談しました。

「U君なの!?それは奇特な・・・

でも、良く考えるとあれで優しいとこあるし、

顔もそんなに悪くないし、

けっこう稼ぐし浮気の心配は皆無・・・

いいかも」

これを逃したらやつは一生独身だ!とばかり、

K子さんが早速「デート」をセッティングしてくれました。

適当に理由を付けて三人で待ち合わせ

K子さんが途中で抜ける、というベタな筋書です。

 

大人同士なので、その筋書きには

二人共大照れでしたが、

それで却って腹が据わったのか、

お互いの気持ちを伝え合うことが出来、

無事にお付き合いが成立しました。

今は穏やかで自然な交際が続いています。

もともと仕事人間のUさんと、

仕事が面白くなってしまったOさんは、

なかなか結婚への決意が付きませんが、

いずれは、と話し合っているそうです。


おしまい