去りゆく人からのメッセージ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叔母が危篤、と連絡を受けたのは、

月曜の午後でした。

車で15分。親戚の中では

一番近くに住んでいるわりに、

お互いの忙しさにかまけ、

法事の時くらいしか顔を合わせないでいた人です。

 

お見舞いはどうしよう。

最期の時、家族水入らずの方が良いかしら、

とも思いましたが、

いつも「あなた、良いお仕事してるわね、

おばさんも見て貰いたいことことたくさんあるのよ」

と言っていたのが印象に残っていたので、

やはりもう一度逢っておこうと思いました。

 

病室に入ると叔母はすぐに私がわかりました。

「まどちゃん」

おばさんはね、生き方が下手だったの。

いつも忙しくし過ぎて体壊しちゃった。

あなたはこんな風にしちゃダメよ」

「お店に何度か行ったのよ。

いつまで生きるか聞いて、

それでいつお仕事止めるか決めようと思って。

でも閉まってたり混んでたりで、帰ってきちゃった。

おばさんも時間が無いから・・・」

 

私は叔母の手を握っていたのですが

「あなたには時間がある・・・私には時間が無い・・・」

と歌うように繰り返していました。

暫くウトウトしたかと思うと、また意識を取り戻し、

「まどちゃんに少しだけ時間を貰ったわ。ありがとう。

あなたも忙しいでしょ、もういいわよ」

 

叔母は、身体の悪い叔父を20年近く介護しつつ、

書道家として第一線で活躍し続けた人です。

私は「おばさんのことを誇りに思ってます」

そう言って、病室を後にしました。