昔飼っていたチョコという名の子猫は、
私の見ていないところでは猛スピードで走り回るくせに、
私の前では、足を引きずり、
上手に歩けないふりをしました。
その都度抱き上げられ、
「大変チョコちゃん!どうしたの?あんよが痛いの~!?」
とされるのが、面白くて仕方ないのです。
一度くじいたか何かで私が心大騒ぎしたのが、
すっかり気に入ったのだと思います。
私は、彼女の演技が見たいばっかりに、
何度でも騙されてあげました。
チョコちゃんのは只の演技でしたが、
誰かに注目され、構われたくて
体調を崩したり、トラブルを背負い込んだり、という事態、
思いの他、あるようです。
無意識の仕業であることが多いようですが。
暫くすると周囲は、
だいたいそのゲームに気づき、飽きてきます。
そして、注目度が薄れると、
次第に、引き寄せる困難が
エスカレートする傾向にあるようです。
このゲームはリスクが大きすぎ、また
良い人間関係を作るのに、
有効な手だてとは思えません。
チョコちゃんは、元気で走り回っていても、
充分可愛らしいのですけれどね。